世界は記号でできている。

旅とガジェットと社会学

思いつきで旅に出てみた in 関東甲信越 by 青春18きっぷ episode 1 ~おれたちはなぜ旅をするのか(前置き)~

このところ環境の変化のない毎日を過ごしていた。日々このiPadから新しい情報は入ってくるが、自分の脳みそに大きな変化があるというわけでもない。何か電波を受信し損ねてソフトウェアのバージョンアップが止まったような状態が続いていた。

 

残りわずかな学生生活の中でやっておきたいことはいくらでもある。リマインダーのリストも溜まったままで、これを消化する作業を淡々とこなしていたのだが、大きな変化というものは何もやってこない。脳の中身が変化しない。変えられるだけの刺激に成り得ない。

 

我々は自分の脳の中に擬似的な環境、擬似的な「世界」を作り出している。カオスの中に自分だけの「理論」を構築して世界を保っている。目・鼻・耳を介して伝わる情報をもとに、暫定的に世界を認識し、食べて、寝て、危険を回避して生きている。そしてその世界は様々な「経験」によって常に更新されていく。

 

これがよくわからないのだが、自分が暫定的に作った「世界」の外にカオスを認識し、そこに新たな理論を構築する可能性が見え始めると積極的に情報を得ていこうとする欲求というのは、上のような生物ゆえの欲求なのだろうか。まぁ一度世界を脳に作っただけで満足していたら、環境が変化したときに個体として、種として滅びてしまうので、これは「適応」ということなんだろう、たぶん。

 

適応できず保守に徹すれば滅びる。だから、既存の理論が通用しなくなるような環境の変化を認識した者から徐々に脳のアルゴリズムは変化し、社会を作り変えていく。しかし一方で、環境の変化を正確に認識できず、既存の「世界」、理論の保守にはしる者もいる。これはカオスあるいは純粋な「自然」というものを認識することが不可能である以上誰にでも起こりうることで、理論を壊し、再構築する過程では必ず葛藤がある。

 

そう、だから、このところ私の身に起きていたことを説明すると、今、自分が脳に作り出している「世界」の外には無限の世界が広がっていることを認識しており、古い世界観を更新したいと望んではいるが、その「外」に新たな「世界」を構築できるだけの「情報」が圧倒的に不足している。このことからもどかしさを感じている、というところだろう。

 

iPadでいろいろと情報収集を行ってはいるが、それらの情報では現在の状況(世界観)における多少の戦略の微調整はできても、その「外」のカオスを回収できるだけのものにはもはや成り得ないということだ。FlipboadやTwitterを利用したことでそれ以前と比べ私の世界は大きく広がったと思っているが、もう十分に「食い尽くした」と言える状況になってしまった。Twitterのフォローを拡大するとかその程度の行動で得られる情報ではもはや世界は変えられない。もっと大きな経験が必要だ。外に飛び出さなくては・・・

 

ということがあって、何かしなきゃ何かしなきゃと思っていたときにこの動画を見た↓

http://www.nicovideo.jp/watch/sm18403273

 

ああ・・・そうだ、旅に出よう(提案)

 

夏だし!ちょうどアイモバiも首都圏内はほぼ攻略し尽くして停滞していたところだし!ちょっと遠くへ行ってみよう!(たぶんこれが本命)

 

どうもおれの世界は物理的に狭いと感じていたところだったのだ。海外旅行は行ったことないし、国内旅行も金ないからあんま行かないし。やることないから家で勉強or研究してたり。東京周辺でしか行動してない。

 

金がないのは今も変わらないがしかし、この動画を見ていてやつの存在を思い出した。そう、「青春18きっぷ」だ。

 

これならおれの厳しい財政にあまり負担をかけずに手っ取り早く世界を「物理的に」広げられるぞと。対価はおれの時間だ。期末試験終わってないけどそんなの関係ねぇ。

 

鈍行でその距離を実感することで「ああ、関東甲信越なんてこんなもんか。この程度の距離か」と認識することができるだろう。そして「日本なんてこんなもんか」と思ったあとはきっと世界を見てみたいという欲求が強まるはず。おれの「世界」はついに世界進出するだろう。そのあとは「世界なんてこんなもんか(ニヒル)」って思うに決まってる。これでおれの脳みそグローバル化は完了だ。

 

なんか意識の高い学生みたいなこと言ってるけど、どうなんだろう。俗に言う「意識高い」人ってのは、個人的には貪欲に経験を求めていこうとする姿勢を持ってはいるけどその方向性が「ぶっちゃけ勘違いしてるよねw」って思われちゃう的なアレなのだろうかと思うけど。わからん。根っこは同じかもしれない。要研究。(少なくとも「若者」とか「ゆとり」とか一括りで語ってるうちは絶対分からないだろうなぁ)。

 

まぁそんな考えがあって早速青春18きっぷの購入に踏み切った。5回分(5日分)1セットで11500円。一日あたり2300円(安い!)。調べてみると近所のJTBで買えるということで即買ってきた。

 

そしてもう次の日にはとりあえず1回目を日帰りで使ってみましょうと計画。こういうことできるのは暇な学生だけかな?悲しいことだ。とりま前から行こうと思っていた清里を目的地に設定。

 

思い立ったら行動。世界を広げたいならまず行動。(そして崖に突っ込むのはいつものパターン。前々回参照)。

 

もろもろ予定を立てないまま旅に備え私は眠りにつきましたとさ。

 

(次回へ続く)

 

 

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ああ、だから旅に出たり旅人に異国の話を聞いたりして「楽しい」と感じるのはそこに自分の擬似的な世界を更新する「可能性」があるからで、つまりいつも自分の脳みその隅にぼんやりと在り続ける不安定なカオスを、新たに得た情報から構築した理論によって屈服(安定化)させることができ、そのときに「安定させたい」という欲求が「解消」されるからだと思うよ。そうゆうシステムなんだと思うよ、生物って。いや自分でも書いててよく分からんけど(おい)。

 

旅っつっても我々は常に旅をしているとも言えますしおすし、別に特別なものでもなんでもなく、究極的には生物の「欲求(と欲求解消)」というシステムに根拠を見出しましたという本質突いてるようで全然突いてないような結論になってしまったよ。勉強不足。

 

次回は旅レポートやります。

 

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